Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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しんやのしちょう

深夜の市長

海野 十三

Lesen Sie 深夜の市長 (しんやのしちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.982 Zeichen · 220 Bildschirme

Aozora Bunko

いやもっともっと恐ろしい事件、珍らしい事件、不思議な事件が後から後へと起っているのだ。何も知らない彼等は天使か白痴かのように、いとも穏かな顔をして睡っているのだ。

ドヤドヤと跫音がして、先刻暖簾を出ていった連中が帰ってきた。

「何だったんです」と僕が声をかけた。

「イヤいつもあるやつでさあ。なにネ、熔鉱炉の中に、誰だか飛びこんだ人間があるようだというのでちょっと騒いだんでさあ」

「えッ、熔鉱炉……」

「そうですよ。この工場の熔鉱炉と来た日にゃ、人間が好きでたまらねえと見えて、よくやるんですよ。なにしろ炉は野天に置いてあるんだし、外から持っていった屑金を直ぐ抛りこめるように、入口から近いところにあるんで、誰でも直ぐ入れまさあネ。そこへ持ってきて、高い炉口に上っている梯子は薄暗く、上にゃ職工が一人きゃいないで、こいつが小さい車を押してあっちへ行ったりこっちへ行ったりしている。だからやろうと思えば誰でも飛び込めるんです……」

「今夜も本当に飛びこんだんですか」

「どうかなア。怖じ気のついた野郎どもが、よく幽霊を見て本当の人間が飛びこんだと早合点することがあるのでネ」