Japanische Klassiker mit Furigana
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しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
Lesen Sie 深夜の市長 (しんやのしちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.982 Zeichen · 220 Bildschirme
何処が悪いのやら、全く見当がつかない。貴下に分っていたら、是非教えて貰いたいのだが……」
そこで僕は、さっき彼が僕にして見せたと同じように、傲然として、彼の頭から吾が耳を※(「てへん+宛」、第3水準1-84-80)ぎ取ったのである。――速水は、途端にギュッと僕の両の利腕を鷲づかみにすると、グッと自分の方へ引寄せた。僕は小暗い車内灯の光が、彼の瞼の中でチラチラ浮動するのを認めた。僕はつい気の毒になり、
「……速水さん。心配しないでいい。……あの人は、あのくらいの傷で、へたばるようなことはないよ」
と云った。そのとき自動車はゴトンと音をたてて、停った。外を見ると、狭い横丁だった。下りてみると、油じみた職工服を着た男が立っていて、速水に何か耳うちをした。自動車はゴトゴトと音をたてながら、傍の狭いギャレージに後退りしながら入っていったが、ギャレージの中にも二人ほど立ち働いている若者がいて、奥の明るい硝子戸の中には、内儀さんらしいエプロン姿の女の顔がこっちを覗いていた。いよいよ目的地へ来たらしい。
僕と速水とは、職工服男の案内で頑丈な高塀のある邸宅の前に出た。