Japanische Klassiker mit Furigana
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しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
Lesen Sie 深夜の市長 (しんやのしちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.982 Zeichen · 220 Bildschirme
……さあ牛乳にトーストよ」
お照はどこで用意して来たのか、銀盆の上に、軽い食事を搬んできた。
「いや済まない。……『市長』はあんな重態でも、やはり夜明け前には居なくなるのかネ。……それはそうあるべきだろうけれど……」
「なにが、そうあるべきサ」
「イヤ、あの人の生活は、ちょっと僕に似ているところがある」
「ちっとも似てやしないよ。似ているといやあ、うちの絹坊に似ているよ。お陽さまが嫌いなところがネ」
「ああ絹坊! 絹坊といえば、絹坊はどうしているネ」
「けさ速水さんが病院に連れていったよ。お陽さまを恐がるのをセイシンブンセキとかで癒すためにネ。あたしは余計なことだと思っているんだけれど、あの人は癒してやるってきかないのだよ」
「精神分析か、速水さんの好きらしいことだ」僕は熱い牛乳を一口すすった。「お照さん、絹坊の父親は誰なんだネ」
お照はギクリとしたらしく、一歩身を引いて立ち竦んだ。
「あんたは、このあたしを縛るつもりなのネ」
「……うんにゃ、縛るのはもうよしたよ、はッはッはッ」
「だってそれじゃお役目をどうするの……」
「お役目か、お役目なんざ……もう罷めちまうばかりだ」