Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
しんやのしちょう
深夜の市長
海野 十三
Lesen Sie 深夜の市長 (しんやのしちょう) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 109.982 Zeichen · 220 Bildschirme
そしらぬ顔をして、部屋に入ると、一緒に入った新米連中が一人一人呼びだされて、主任からその日の仕事を与えられているところだった。その日の僕の仕事は、終日、和紙を綴じた部厚い書類を読破することであった。僕はガランと広い部屋の片隅に席をとって、書類綴の表紙を開いた。すっかり春らしくなり、和やかな日ざしがポカポカと背中に当って、睡眠不足の僕を意地悪く盛んに挑発する。頁を繰ってゆくうちに、毛筆で書いてある可也大きい字がボーッと融け崩れ始めて、僕はあまりの睡さにとうとう怺えられなくなった。……
急に大きな音がして、重い扉が閉ったので、僕はハッと気がついた。手の平で素早く口のあたりを拭うと、自分が睡っていないことを衆人に知らせるためにわざと大袈裟に書類の頁をめくろうとした刹那、顔から火の出るような思いをした。書類のまン真中に、硝子珠を載せたように、大きな涎の玉ができていたのである。あまりに恥かしくて、途端に睡気がスーッと本当に抜けてしまった。
「どうも市会と市長との仲にも困ったもんだネ」
と、僕の背後で太い銅間声をあげたのは、次席検事の雁金浩三氏だった。
「全くですよ。