Japanische Klassiker mit Furigana
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おんせんだより
温泉だより
Lesen Sie 温泉だより (おんせんだより) von Akutagawa Ryūnosuke (芥川 竜之介) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 6.095 Zeichen · 13 Bildschirme
もっとも前後にたった一度、お松がある別荘番の倅と「お」の字町へ行ったとか聞いた時には別人のように怒ったそうです。これもあるいは幾分か誇張があるかも知れません。けれども婆さんの話したままを書けば、半之丞は(作者註。田園的嫉妬の表白としてさもあらんとは思わるれども、この間に割愛せざるべからざる数行あり)と言うことです。
前に書いた「な」の字さんの知っているのはちょうどこの頃の半之丞でしょう。当時まだ小学校の生徒だった「な」の字さんは半之丞と一しょに釣に行ったり、「み」の字峠へ登ったりしました。勿論半之丞がお松に通いつめていたり、金に困っていたりしたことは全然「な」の字さんにはわからなかったのでしょう。「な」の字さんの話は本筋にはいずれも関係はありません。ただちょっと面白かったことには「な」の字さんは東京へ帰った後、差出し人萩野半之丞の小包みを一つ受けとりました。嵩は半紙の一しめくらいある、が、目かたは莫迦に軽い、何かと思ってあけて見ると、「朝日」の二十入りの空き箱に水を打ったらしい青草がつまり、それへ首筋の赤い蛍が何匹もすがっていたと言うことです。もっともそのまた「朝日」