Japanische Klassiker mit Furigana
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げんぞうがはら
源蔵ヶ原
山本 周五郎
Lesen Sie 源蔵ヶ原 (げんぞうがはら) von 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 13.843 Zeichen · 28 Bildschirme
「おれに云うことはねえ」と忠太がもっと細い声で云った、「ただお光ぼうが好き、死ぬほど好きで、どうにもならなかったんだ、けれども、みごもったっていうことは知らなかった、本当にそれは知らなかったんだ、もしそれを云ってくれたら」
「お光」と泰二は呟いていた、「――お光」
「本当のことがばれるのが怖かった」忠太は続けていた、「本当のことがばれたとき、みんなにどうされるかと思うと、寝ても眠れねえ晩が幾夜あったかしれねえ、お光ぼうがあの店からいなくなったとき、これでみんなにわかっちまうかと思った、だがなんのこともねえ、そんならいまのうちになんとかできるかもしれねえと思って、自分でやっちゃあ信用されめえから、うまくのろにもちかけたんだ」
そこまで云うと、忠太は急に泰二の前へ膝を突いた。そして凍てた土の上へ両手をおろし、頭を垂れて泣きだした。
「おれはここで叩っ殺されてもいい、泰さん、済まなかった」と彼は喉を絞るような声で、泣きながら云った、「けれども本当だ、おらあ本当に、お光ぼうがみごもっていたことは知らなかった、本当に知らなかったんだ」
「云い訳にゃあならねえ」