Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
しかしそのうち一人が欠けて、吾々はようやく正常な世界に戻ることができたのです……」
となおもヴィデが、奇異な比喩めいた言葉を云いつづけようとした時、一人の私服が、詳細な屍体検案書を手に入って来た。
ところが、それによって、この事件の謎がさらに深められるに至った。
と云うのは、上行大動脈に達している創底を調べると、そこには毫も、兇器の先で印された創痕がないばかりでなく、かえってその血管を、押し潰していることが判ったからだ。
すなわち、瞬間に血行を止めた即死の原因は、それで判るにしても、だいたい頭の円い乳棒のようなもので、皮膚を刺し貫く――というような、神業めいた兇器が、はたして現実あり得るものだろうか。
そうして、しばらく二人は、顔を見合わせて黙っていたが、ヴィデはその後も、不可解な言葉を吐きつづけた。
「ねえ法水さん、実は艇内に一個所、秘密の出入扉があるのですよ。しかも、それはけっして、肉の眼では見えないのですが、僕は何処にあるか、ようく知っているのです。今日も事件の際に、そこから伝わってくる、気動があったのを覚えています。なにしろムーンの訓盲文字に、十七年間も馴らされているんですからね。