Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
私は、なにがなんでも得体が分らないので、躊躇するとジェソップ氏は手をあげ、
「いや君は分らんだろうが、これには理由がある」
と、声を低め、云い訳顔に語りはじめた。
「このね、マハナディ川の上流には、ダイアモンド鉱地がある。昔とちがって、いまは萎靡凋落のどん底にあるが、それでも、肉紅玉髄、柘榴石などに混ってたまたま出ることがある。それもなんだ、藩王の経営だから採収法が古い。警備も、南阿の諸鉱地とは、てんで比較にならんのだ。鉄条網もない。電気柵もない。南阿じゃ、着物を縫目まで解いて身体検査をするというが、ここじゃそれほどでもあるまい」
「では、発見した鉱夫が逃げられるじゃありませんか」
「そこなんだ。宝石が、たまたま出るとそれを持ち逃げして追手を避け避け、外国船に売り込む……。いや、あれがそうだとは、必ずしも云わんよ。しかし、万事こうしたことは、カン一つだからね」
それが、ジェソップ氏の持つ、最大の悪癖だった。賭けたがること、相場が好き、ボロ株が好き、おまけに、角力が好きで光風が贔屓であった。しかし、それも考えれば理由のないこともない。草叢という、眼鏡蛇の通路に這い寝そべっているのは、なんぼなんでも並々のことではないからだ。