Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

君も見るとおり、一抉りというにしては、少々先が鈍すぎるんだ。こんなもので、お悦の眼を醒まさずに、やり了せられると思うなら、それは君の方から伺いたいものだよ。ハハハハ、いくら鈍いお悦の神経だって、これじゃ、どうやら魔睡が必要になってくるぜ」

と、躊ぎはじめた成戸六松の顔を、相変らず、左枝は死んだような表情で見詰めている。鈍い、黄味がかった盲人の鞏膜のような、しかし、ぼやついたその靄の奥には、いつでも踏みこらえるような不思議な力がこもっていた。

「だから、白状すると、犯人はこの僕じゃないということになるんだ。僕が、どうして殺るもんか。君は、この女を、人世の虱を――僕が捻り潰したとでも云うのかね」

「いいえ、貴方ですわ」

早苗のその声は、低いが、しかし異様な張りを帯びていた。

「ここへ連れて来られるとき、貴方は前後不覚だったじゃないの。間違えて……、ほんとうに、姐さんの可哀想なことったらね。私と感違いして、顔もろくろく見ずに、貴方が殺ってしまったにちがいないわ」

「さ、早苗」

これにはさすがの左枝も、溢れてくる困惑の色を隠せなくなってしまった。

いよいよ最後の時が来た。