Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
法水は、なにやら云いたげな顔をしたが、その時隅から中山小六が乗り出して来た。
この老人は、耳の辺まで垂れた白毛を残して、てかてかに禿げ上っているが、身体は十一、二の子供くらい――どこからどこまでが、典型的な侏儒だったのである。しかも、どことなく弱々しく、腰も曲りかけている。
小六は半畳ほどずり出して、狡そうな笑を泛べ、
「すると、なんですかな先生。いまおっしゃった異人の名というのが、なにかこの図紋とでも関係がござんすので……」
と云うと、相手の深々とした皺を、法水は、痛ましげに見やっていたが、
「いやいや、なんでもないのだよ。じつは、ちょっと他のものに、附会けていたんだがね」
と何げなく云ったけれども、その眼はただならぬ暗色を湛え、ギロリと六人の車座を見まわした。
明敏な読者諸君は、すでに気付かれたことと思うが、小六はさておき、里虹を交えた他の四人というのが、その年配といい、なにかしら夷岐戸島の四人の嬰児を想い起させるではないか。
しかし、その暗合の魔力は、ついにその場限りではなかった。その時法水は、ただそれらしい符合に打たれただけで、やがて心火にめぐりはじめる、片輪車のことなどは毛ほども知らなかったのである。