Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
そうして、彼には、この無残劇の深さがとうてい測りえなかったのであるが、そのうち、思いがけない喜びが訪れてきた。
と云うのは、小六にまだ、体温が残っているのを発見したことで、それから総掛りの人工呼吸の結果、この老侏儒はようやく蘇生することができた。
すると、なんとしたことかむっくと立ち上って、胸から出る息が、苦しげに響いた。
「ふ、双生児め。あれ、彼処を通る、あいつがそうなんだ。胸と胸を、くっつき合わせやがって」
と汚ならしい、獣物に触れるような血相で、顫えつつ前方を指差すのであったが、そうしてから法水の腕に凭れて、今度も異様な言葉を呟くのだった。
「ねえお前さん、皆んなが寄ってたかって、わっしのことを小さいと云うがね。しかし、真実小さく見えるなあ、わっしじゃねえ、彼処にいる為十郎なんだよ。ええ、侏儒奴が……」
そのとたん一同の視線が、おりから湯上りの為十郎に注がれたが、その老人は、軽く嘲ら笑ったのみで、深い皺をひょうきんな手つきで引っ張り上げた。
「わっしが、侏儒だって、冗談じゃねえ。小六さんは、まだ正気に帰らねえんですよ。それよりか、豊竹屋さん(逢痴の事)が双生児とは、そりゃまた、どうしたってことなんです」