Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
この座の奈落には、小芝居特有の色が現われていて、天井の低い、すべてが、だんだんと朽ちて行く、骨のように黝ずんでいた。
そして、白っちゃけた壁や、中央にある轆轤には「四谷怪談」に使う漏斗の幽霊衣や、仏壇返しや、提灯の仕掛などが立て掛けてあって、何もかも、陰惨な沼水そのもののような代物ばかりだった。
しかし、法水は、そこにいる村次郎の口から、戸板返しの技巧を聴くことができた。
「つまりなんでさあ、本水口に使うのと、お岩を入れるのと、杉戸が二枚いるんですよ。そして、最初は下手の方から、菰を被せたのを流して来るんですが、さて伊右衛門の前に来ると、それを浪幕の陰から、手際よく引っ張り込むんです。そして今度は、役者の入っている方を、みんなでかつぎ上げて、きっかけと同時に、ぬうと突き出すという寸法なんですよ。ところが御覧のとおり、浪幕があるものですから、奈落はせいぜい二燭の電球ぐらいで、人の顔なんぞ、てんで見分けがつくもんですか。つまり、そんな具合で、間の悪い時だと、杉戸の所在が分らなくなるものですから、こうして同じ孔をあけたやつを二つ作っておくのです。ところで、この杉戸ですが、御覧のとおり、少し幅広に作られてあるでしょう。