Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
先生、わっしはなんという因果でしょうか、実の弟を殺してしまったのですよ」
法水は、しばらく口を噤んで、何事も云わなかったが、やがて全身の気力が、眼の中に移ったかと思われた。
「だが友田屋、それを僕に云わせると、けっして弟殺しとは云えないのだよ。実は、今朝の解剖で、僕は動かせぬ確証を掴んできた。逢痴には、暹羅兄弟特有の、臓器転錯症がなかったのだよ。すると、三引く二は一じゃないか。君の片身は、村次郎なんだ。しかも、その二人が、里虹の子であるという証拠は、あの、人魚の尾鰭を象どった図紋なんだよ。実はあれが、竜鋤の形で、トラケーネン血種という、高貴な馬に捺す烙印だったのだ。つまりクイロス教授は、あの画の中で、双体畸形こそ、嵯峨家の血系であると暗示したのだ。だが、それはそれとしても、なんだか僕には、逢痴殺しよりも先に、君の親殺しを、訊ねねばならぬ義務があると思うのだよ。ねえ、そうだろう、里虹は君が殺したんだっけね」
その瞬間、儀右衛門は化石したようになって、それは永いこと、姿勢を改めなかったのである。しかし、法水は静かに言葉を次いだ。
「いつぞや、君に里虹が失踪した時刻を、訊ねたことがあったっけね。