Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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せんこうてい「ハビヒツブルグ」

潜航艇「鷹の城」

小栗 虫太郎

Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme

Aozora Bunko

あの燃え上がるような歓喜は、艙蓋が開かれると同時に、跡方もなく砕け散ってしまいました。もともと自分から招いた過失であるとはいえ、私たちは第二の人生を、光の褪せた晦冥の中から踏み出さねばならなくなったのです。

こうして『鷹の城』は泛び、同時に、吾々に関する部分だけは終りを告げるのですが、一方『鷹の城』自身は、それからもなおも数奇を極めた変転を繰り返してゆきました。と云うのは、引揚げ後内火艇に繋がれて航行の途中、今度は宗谷海峡で、引網の切断が因から沈没してしまったのです。

そして、三度水面に浮んだのは御承知のとおり、夫人の懇請で試みた、船長八住の引揚げ作業でした。

しかし、上述した二回の椿事によって『鷹の城』の悪運が、すでに尽きたことは疑うべくもありません。

ただ願わくば、過ぎし悪夢の回想が、のちの怖れを拭い、船長の新しい事業に幸あらんことを。そうして、故フォン・エッセン男爵の霊の上に、安らかな眠りあらんことを……」

三、濃緑の海底へ

艇長フォン・エッセン男の死体が消失した、しかも蒼海の底で、密閉した装甲の中で――この千古の疑惑は、再び新しい魅力を具えて一同のうえにひろがった。