Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
ある日、二人の睦まじさに耐えかねた女王が、こっそりと、ハーゲンの耳におそろしい偽りを囁いた。
「ハーゲンよ、かつて妾は、ジーグフリードのために、いうべからざる汚辱をこうむりました。王は、それを秘し隠してはいますが、そなたは、妾にうち明けてくれましょうな。アイゼンシュタインの城内で、妾をうち負かしたグンテルが、何者であったか。また、その後も王に仮身して、しばしば妾の寝所を訪れたのは、誰か。ほほほほハーゲン、そちは、顔色を変えてなんとしやる。そうであろう。ジーグフリード……。妾は、とうからそれを知っておりましたぞ」
ハーゲンは、それを聴いて、ますます殺害の意志を固くした。また、女王とクリームヒルトの仲も、不仲というより、むしろ公然と反目し合うようになった。そうして、やがてハーゲンは、一つの奸策を編み出したのである。
それは、剣もこぼれるというジーグフリードの身体に、どこか一個所、生身と異ならぬ弱点があるからだ。それを知ろうと、ハーゲンはクリームヒルトをたぶらかし、聴きだすことができた。すなわち、隣国との戦雲に言よせられて、公主の心は、怪しくも乱されてしまったのである。