Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
「ねえ法水君、不幸にして、『鷹の城』遭難の真相が明らかではない。もし、あの夜海底で八住が艇長を殺し、そうした気配が、日誌の中に記されていたとすれば――だ。なにしろ、八住は盲目なんだし、またそれと知って、十七年間機会を狙っていたものと云えば、まずウルリーケをさておいて、ほかに誰があるだろう。あの日誌を破ったのは、てっきりウルリーケだと思うよ。ああ、十七年後……」
とそこで計らずも検事は、「ニーベルンゲン譚詩」とこの事件とをつなぐ、第二の暗合を発見した――十七年後。
すると、ハッと夢から醒めたようになって、それまで、法水の夢想に追従しきっていた、おのれの愚かさを悟ったのである。
法水も、その刺戟を隠し了せることはできなかったが、彼は、検事の言葉がなかったもののように、そのまま旧の語尾を繰り返した。
「ところが、その心理を前提として……、艇長とジーグフリード、ウルリーケとクリームヒルト――という符合に憑つかれることだ。肝腎なニーベルンゲンの神秘隠れ衣が、そうした心理的な壁に、隔てられてしまうのだ。ねえ支倉君、『ニーベルンゲン譚詩』のこの事件における意義は、けっして後半の匈牙利王宮にはない、むしろ前半の、しかも氷島の中にあるんだ。