Japanische Klassiker mit Furigana
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せんこうてい「ハビヒツブルグ」
潜航艇「鷹の城」
小栗 虫太郎
Lesen Sie 潜航艇「鷹の城」 (せんこうてい「ハビヒツブルグ」) von 小栗 虫太郎 (おぐりむしたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 132.395 Zeichen · 263 Bildschirme
いや、率直に云いましょう。『鷹の城』遭難の夜艇内で死んだのは、実を云うと艇長ではなく、その悪魔だったのです。そして、一方の和蘭人は、とうの昔トリエステで消え失せていて、それからも『鷹の城』を離れず、不思議な生存を続けておりました。どうでしょう夫人、貴女は、この比喩の意味がお判りですか」
それは、妖術というようなものが実現されたとき、かくあらんと思われるような瞬間だった。検事もウルリーケも、同様化石したようになってしまって、よしや彼ら二人に、なお生命があったにしろ、眼はもう見えず、耳がはや聴えなくなったことは、確かであろう。
やがて、ウルリーケの唇から、濡れた紙巻がポタリと落ちたが、依然その姿勢は変らなかった。
法水は闇の海上を、怖ろしげに見やりながら、言葉を次いだ。
「つまり、ヴェネチア湾の海底で、生きながら消え失せたのは、シュテッヘではなく、フォン・エッセンだったのですよ。もっと明瞭り云えば、シュテッヘをかくまった、UR―4号に、乗り込んだのを最後に、艇長の地上の生活は失われたことになりましょう。なぜなら、そのおりシュテッヘのために、艇長は生とも死ともつかぬ不思議な抹殺をされて、シュテッヘはその場から、フォン・エッセンになりすましました。