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Japanische Klassiker mit Furigana

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こぞうのゆめ

潤一郎ラビリンスV――少年の王国

谷崎 潤一郎

Lesen Sie 潤一郎ラビリンスV――少年の王国 (こぞうのゆめ) von 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.989 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

」

こう云って、にこ/\笑って居る男の風体が、瑠璃光には訳もなく恐ろしかった。半歳ぶりで思いもかけぬ友の消息を得た嬉しさを、しみ/″\と味わう暇もなく、自分の一生の運命にかゝわる重大な問題を、不意に鼻先へひろげられた彼は、暫く息が詰まるような、眼が眩むような心地に襲われて、戦慄しながら立ちすくんで居た。

「さても其のゝちの数々の事ども、いずこに筆を起しいずこに筆をとゞむべくそうろうやらむ。みずから山に罷りこし絶えて久しき対面して、まのあたり申し聞えんとおぼえ候えども、一旦掟を破りそうろう身にては、一乗のみね高くそばだちて仰ぐべからず、一味のたに深くたゝえて近づきがたしとこそ覚え候え………」

こう書いてある手紙の端を持ったまゝ、瑠璃光は自分の身を疑うが如く、たゞ上の空で、ところ/″\の文言を慌しく読み散らした。「半日がほどにて帰り候わんなど申し候て、かく打ち過しそうろう間、さだめてわれに謀られたりとおぼし召され候わんこと、かえす/″\もくちおしく心ぐるしくおぼえ候。千手が身に於いては、さるこゝろがまえ初より露ばかりも候わず、その日のゆうぐれ宿坊へ戻り候わんとてすでに雲母越にさしかゝり候おりふし、俄かに物蔭よりおどり出でたる人のさまにて、浅ましゅう口をふたがれ眼をふたがれて何処ともなく舁き行かれそうろうほどのこゝ