Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みおつくし

澪標・落日の光景

外村 繁

Lesen Sie 澪標・落日の光景 (みおつくし) von 外村 繁 (とのむらしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.889 Zeichen · 268 Bildschirme

Aozora Bunko

しかし私は初めて女の子を得て、他愛もなく満悦する。

既にとく子の体は欠落状態を呈し始めている。私も妻の妊娠を恐れる。しかし私はやはり妻の体を求めないわけにはいかない。妻も拒むことはできない。しかし以前のように素朴な感慨は起きない。肉体だけの快楽である。が、事後はとく子も目立って機嫌がよい。

肉体だけの快楽も軽蔑できないものか、と私は恐しく思う。

長女が生れた翌翌年、とく子は五度目の妊娠をする。とく子はペッサリーも使っていたが、使用法を誤ったものであろう。翌年、二月、四男が出生した。私が三十六、とく子が三十五であった。

その頃、性生活に限らず、私の精神状態は平穏ではあるが、少からず緊張を欠いていたようである。例えば子女の出生に対しても、凡凡と喜んでいるばかりで、長子の時のような切実な感情が湧かない。総てが惰性的になり、さして多くもない経験に甘えて、私は高をくくっているのである。まるで凡愚の上にあぐらをかいているようで、これでは精神が昂揚するはずがない。しかし実際上から言えば、平穏どころではない。私は日日の生活に追われ、妻は五人の子の養育にかまけ、他を省る暇がなかったのである。