Japanische Klassiker mit Furigana
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みおつくし
澪標・落日の光景
外村 繁
Lesen Sie 澪標・落日の光景 (みおつくし) von 外村 繁 (とのむらしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.889 Zeichen · 268 Bildschirme
そうして私は停車場に駆けつけた。
汽車が瀬田川の鉄橋を渡る時、私達の間で「グリーンランド」と呼びならされている、石鹿公園の緑の突端が見える。その時、ふとあの五年生のことが私の頭を掠めないでもなかったが、初めて帰省する喜びがあまりに大きく、それ以外のことは、私の頭に長くは留らなかった。
翌朝、故郷の懐しさの、まるで余韻を楽しむかのように、私は散歩に出る。
太陽は東の空に上っているが、その陽ざしはまだそれほど烈しくはない。幼い時から見馴れた風景の中には、伊吹山も、県境の山山もある。首を返すと、観音寺山や、明神山の懐しい姿も見える。朝風は清清しく、草叢の露は私の素足を濡らす。上畑の緩い傾斜を下ると、見渡す限り青田である。稲は絶えず緑の波を立て、その中に降り立っている鷺の姿が目に染みて白い。
私は街道に出、更に左に折れて、村の中に入る。私は膳所中学の徽章のついた麦藁帽子をかぶっている。かなり得意である。少し行くと、庄右衛門の藪である。私の家の前を流れている川はこの藪に突き当り、急に左折して流れている。ここの淀みで、二十センチばかりの鯉を捕ったこともある。