Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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みおつくし

澪標・落日の光景

外村 繁

Lesen Sie 澪標・落日の光景 (みおつくし) von 外村 繁 (とのむらしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 130.889 Zeichen · 268 Bildschirme

Aozora Bunko

粟粒性結核であった。次兄は極めて頑健で、今まで病気らしい病気をしたことがない。私は愕然とした。そうして悲歎した。しかし弱年の故であろう。私は死そのものについては深く考えることはなかった。

本家の伯父には子供がなく、私の長兄が本家を継ぐことになっている。従って次兄の死によって、私が私の家の後嗣になる。しかしそれについても、私は何も考えない。やはり年齢の故であろう。

五年生になった。弟が膳所中学に入学した。脇村先生の許で共に起居することになる。弟は祖母育ちで、私に随分世話を焼かせる。

私は野球部の委員になる。来年からA新聞の全国的な大会に出場できることになり、チームは下級生中心に編成する。従って他校へ遠征する場合、私がチームを引率する恰好になる。しかし相手校の運動場に入ると、私は私に注がれている、特殊な視線を敏感に感じとる。

「ええ子やないか」

「どうや、一晩、抱いて寝たろか」

そんなことを言われたりする。忽ち私は面目を失してしまう。

私はまた弁論部にも加わり、正義派的な言動をするようになる。下級生のために、教師に喰ってかかったことも度度ある。休暇中女中を庇って、母と衝突したことも数えきれない。