Japanische Klassiker mit Furigana
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かやくせん
火薬船
海野 十三
Lesen Sie 火薬船 (かやくせん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.552 Zeichen · 124 Bildschirme
そして煙草に、火のついていないのをたしかめると、ほっとした面持になった。言葉を発する者さえない。
竹見は、いじわるくにやりとわらって、ポケットに手を入れた。そしてまた新たに一本の煙草をとりだして、唇の間へ、ひょいとくわえた。
おどろいたのは、ノーマ号の船員たちだ。わっとわめいて、一せいに水夫の竹見におどりかかった。竹見は、
「な、なにをするッ!」
と、どなったが、もちろん多勢に無勢で、とてもかなわないと見えたし、そのうえ、じつはこのとき竹見にもいささか考えがあって、わざと相手のやりほうだいにまかせておいたのだった。
すると相手は、ますますいい気になって、竹見のポケットに手をさし入れた。なにをするかとみていると、煙草の入った箱とマッチとを、だつりゃくした。そして、その二つの品物を、こわごわ舷側から海中へ、ぽーんとすてたものだ。
それでもまだ心配だとみえて、舷側からわざわざ海面をみて、この二つの品物がたしかに水びたしになっているのを確かめている者もあった。なぜそんなに煙草とマッチが、きらいなのであろうか。
このとき、竹見がさけんだ。
「ちえっ、おれをあまく見て、よくもまあ大勢でもって手ごめにしやがったな、それじゃこっちも、胡瓜の缶詰をかえしてもらうよ」