Japanische Klassiker mit Furigana
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かやくせん
火薬船
海野 十三
Lesen Sie 火薬船 (かやくせん) von 海野 十三 (うんのじゅうざ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 61.552 Zeichen · 124 Bildschirme
どうせ相手にはわからないであろうところの中国語でしゃべって、さっき竹見が船員中のおとなしそうな一人にくれてやった胡瓜の缶詰を、すばやくうばいかえした。
報復手段なのである。どっちもまけてはいない。
「あっ、それはおれが貰った缶詰じゃないか」
その船員は、びっくりして竹見にとびかかってきたが、彼は相手にならないで、ひらりとからだをかわした。このことは、その相手の船員ばかりでなく、附近に立ち並んでいた彼の同僚に少からぬ失望をあたえたようである。そうでもあろう、そういう野菜ものにうえていた彼等は、あたらきゆうりのお裾分けを失ってしまったのだから。
船員たちは、たがいに顔を見合わせて、なにか早口にどなり合っていたが、やがて一同は、やっぱり胡瓜の缶詰にみれんがあると見え、竹見の傍へよってきて、ぐるっと取まいた。
「こら、その缶詰を、こっちへかえせ」
「さっきおれたちがもらった缶詰だ。こっちへよこせ」
竹見から煙草とマッチをうばいとったことなどは知らんかおで、多勢を頼んで水夫竹見に肉薄してくるそのずうずうしさには、あきれるよりほかない。
竹見は、べつにおどろきもしない。