Japanische Klassiker mit Furigana
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とうみょうのまき
灯明之巻
泉 鏡花
Lesen Sie 灯明之巻 (とうみょうのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.444 Zeichen · 47 Bildschirme
とは品かわって、世をかえても再び相逢うすべのないような心細さが身に沁みたのであった。
かあ、かあ、かあ、かあ。
鈍くて、濁って、うら悲しく、明るいようで、もの陰気で。
「烏がなくなあ。」
「群れておるです。」
運転手は何を思ったか、口笛を高く吹いて、
「首くくりでもなけりゃいいが、道端の枝に……いやだな。」
うっかり緩めた把手に、衝と動きを掛けた時である。ものの二三町は瞬く間だ。あたかもその距離の前途の右側に、真赤な人のなりがふらふらと立揚った。天象、地気、草木、この時に当って、人事に属する、赤いものと言えば、読者は直ちに田舎娘の姨見舞か、酌婦の道行振を瞳に描かるるであろう。いや、いや、そうでない。
そこに、就中巨大なる杉の根に、揃って、踞っていて、いま一度に立揚ったのであるが、ちらりと見た時は、下草をぬいて燃ゆる躑躅であろう――また人家がある、と可懐しかった。
自動車がハタと留まって、窓を赤く蔽うまで、むくむくと人数が立ちはだかった時も、斉しく、躑躅の根から湧上ったもののように思われた。五人――その四人は少年である。……とし十一二三ばかり。皆真赤なランニング襯衣で、赤い運動帽子を被っている。