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Japanische Klassiker mit Furigana

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とうみょうのまき

灯明之巻

泉 鏡花

Lesen Sie 灯明之巻 (とうみょうのまき) von 泉 鏡花 (いずみきょうか) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 23.444 Zeichen · 47 Bildschirme

Aozora Bunko

中でも活溌なのは、お誓さんでなくってはねえ、ビイーと外れてしまう。またそのお誓はお誓で、まず、ほかほかへ皿小鉢、銚子を運ぶと、お門が違いましょう。で、知りませんと、鼻をつまらせ加減に、含羞んで、つい、と退くが、そのままでは夜這星の方へ来にくくなって、どこへか隠れる。ついお銚子が遅くなって、巻煙草の吸殻ばかりが堆い。

何となく、ために気がとがめて、というのが、会が月の末に当るので、懐中勘定によったかも分らぬ。一度、二度と間を置くうち、去年七月の末から、梅水が……これも近頃各所で行われる……近くは鎌倉、熱海。また軽井沢などへ夏季の出店をする。いやどこも不景気で、大したほまちにはならないそうだけれど、差引一ぱいに行けば、家族が、一夏避暑をする儲けがある。梅水は富士の裾野――御殿場へ出張した。

そこへ、お誓が手伝いに出向いたと聞いて、がっかりして、峰は白雪、麓は霞だろう、とそのまま夜這星の流れて消えたのが――もう一度いおう――去年の七月の末頃であった。

この、六月――いまに至るまで、それ切り、その消息を知らなかったのである。

もし梅水の出店をしたのが、近い処は、房総地方、あるいは軽井沢、日光――塩原ならばいうまでもない。