Japanische Klassiker mit Furigana
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はいいろのあねとももいろのいもうと
灰色の姉と桃色の妹
小川 未明
Lesen Sie 灰色の姉と桃色の妹 (はいいろのあねとももいろのいもうと) von 小川 未明 (おがわみめい) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 3.817 Zeichen · 8 Bildschirme
妹は、唄にもあきてくると、懐から、紅い糸巻きを出して、その糸を解いて、銀の棒で編みはじめていました。銀の棒は日の光にきらきらとひらめきました。紅い糸は、解けては、緑の草の上にかかっていました。
姉は、妹に別れて、独り北の方へ歩いていきました。そこは、一段低くがけとなっています。がけの下にはさびしい空き地があって、そこには、二、三本の憂鬱な常磐木が空にそびえていました。そして、その黒ずんだ木立の間に混じって、なんの木か知らないけれど、真っ白な花が咲いていました。
その白い花の色は、ほかの色とちがって、冷たく、雪のように見えたのであります。姉は、がけを降りていきました。危うげな路が、がけにはついていたのであります。
その空き地には、冬が残っていました。日の光すらさすのを避けているように、寒い風が、黒ずんだ常磐木の枝をゆすっています。姉は、白い花の咲いた木の下にたたずんでいました。そこには、なく鳥の声もきこえなければ、また飛びまわっているちょうの姿も見えませんでした。あたりは、しんとしている。姉は、なにを思い、なにを考えているのか、身動きすらせずに、黙って白い花の咲く木の下にたたずんでいました。