Japanische Klassiker mit Furigana
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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――
炎の人――ゴッホ小伝――
三好 十郎
Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme
中尉のミリエなんぞ近ごろ来るかね?
ラシ よんべも来たわよ。しかし、あの人は、ローザのお客よ。あたいは、よんべは、お茶引いちゃった。
ゴー ははん、そこで今日はお前、ヴィンセントを呼び出しに御出張と来たな?
ラシ そういう訳ではないのよ。おかみさんに頼まれて、駅んとこまで買物があったんで、どうなすってるかと思ってチョット寄って見たんだわ。
ゴー しかし呼び出すにしたって、エサがこんな二つや三つの三角パンくらいじゃ、ごめんだぞ。ゴッホが行くと言ったって、俺がやらない。
ラシ エサなんて、そんなつもりじゃなくってよ。あんた方、絵ばかり描いていて、一日中なんにも食べないことがよくあるんでしょ? 可哀そうだと思って、私のおこづかいで買って来てあげたのよ。……だけど、フウ・ルウは、どこへ行ったの、ずいぶん遅いわね?
ゴー そら見ろ、ヴィンセントを待ってるくせに。ハハ、なに、もうすぐ帰って来るよ。だが、どうしてお前たちは、あの男のことをフウ・ルウなんて言うんだい?
ラシ 町の人がみんなそう言ってるのよ。だって、そうでしょ、あの人と来たら夏の間じゅう、七つ道具をかついで、熱病やみのような眼をしてさ、日の出ないうちに町から駆け出して行くんだもの。