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Japanische Klassiker mit Furigana

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ほのおのひと――ゴッホしょうでん――

炎の人――ゴッホ小伝――

三好 十郎

Lesen Sie 炎の人――ゴッホ小伝―― (ほのおのひと――ゴッホしょうでん――) von 三好 十郎 (みよしじゅうろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 104.035 Zeichen · 207 Bildschirme

Aozora Bunko

これじゃ、みんな生だよ。それに、いくら商売物で絵具はいくらでもあると言ったって、いきなりこんなにどっさり塗っちゃ駄目だよ。まるで、ダブダブに盛り上っているじゃないか。

タン なるほど、そんなもんですかねえ。

学生 まあ、しっかりやりたまい。じゃ、さいなら。(手のチューブを振りまわしながら出て行く)

タン へい、ありがとうござ――(途中で言葉を切って、ゴマ塩ひげの頬をガシガシ掻きながら学生を見送っている。――その学生は、通りすがりに、先程から飾窓を覗いている若い娘をからかう。娘がモジモジした末に、コケットに笑いながら通りを小走りに向うへ逃げて行く。それを追って画学生も駆け出す。それらが全部見える――パリの裏町の秋の午後のちょっとしたパントマイム)

どこかの教会の鐘が、鳴っている。

おかみ あなた――(言いながら、上手の通路からコトコト出て来る。小柄な五十ぐらいの女)お客さんでしたか?

タン うむ、いや、コルモンさんのアトリエに居る、若い絵かきさんで、たしかマルタン――

おかみ また、絵具を貸したりはなさらないでしょうね?

タン いや、そりゃお前、そんな――

おかみ あんたはチョットおだてられると、良い気になっちまって、ポイポイと貸しちゃ、それなりけりで、代金は払っちゃくれない、そのカタにわけのわからない絵など掴まされてばっかり