Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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むだい(いち)

無題(一)

宮本 百合子

Lesen Sie 無題(一) (むだい(いち)) von 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 20.502 Zeichen · 41 Bildschirme

Aozora Bunko

たった七日の間でした。時間にしたって百六十八時間の間でしたけれどもローズにはどんなにつらいそして長い時だったでしょう。旅に出て居た時にはいくら思っても帰ってくるまではと思っていましたけれどとなりどうししかも声をかけたらきこえる所に居ながら一日も合わずに七日もすごす、ずいぶんつらかったんですけれども、

ロ「私の大切な人は今大変立派な物を書いて居るのだ。あの人の名誉は私の名誉、又この土地の名誉、我まんしましょう」

強い勇ましい心をもって我まんしていました。八日目の夕方久振、ほんとうに久ぶりにローズの部屋に可愛い形をした詩人の姿が現れました。戸口を入るといきなり、

詩「ローズローズ、見て下さい、とうとう出来ましたよ。私はまア、どんなにうれしいでしょう。私は貴女に見てもらってから町に行って本にする様にたのんで来ましょう。馬でネ、二人で行きましょう」

はずんだ声で云ってさし出した手にはあついあつい、書いたものがのって居ました。

ローズは「もうたまらない」と云う様なそわそわしてそして又いつもより一層娘らしい形をして立ったままそれをよみました。そして紙の上を走って居る目は驚とよろこびと一所になってそれはそれは美くしい光がさして居ます。