Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme
それにしては朝っぱらから変だと思ったけれど……」
なるほどヴェランダからは、浅間山がその花キャベツに似た噴煙をむくむくと持ち上げている何とも云えず無気味な光景がはっきりと見えた。その無気味な煙りの中には、ときどき稲妻のようなものが光っていた。その閃光は熔岩と熔岩とがぶつかって発するものだということを、去年の夏、彼は人から聞いていた。
彼はその凄じい噴煙を見上げながら、丁度今の自分と同じようにそれを見上げていた去年の夏のまだいかにも健康そうだった自分の姿をひょっくり思い浮べた。そうしてそれに比較すると、今の自分の方がかえって夢の中にでもいるような気がしてならなかった。……
もうヴェランダはうすら寒かった。
彼は客間にはいって行きながら、こんな朝はもう煖炉を使うのも悪くはないなと思った。彼はこの別荘に来た時から、その客間の片隅に古い熔岩を組み合せてこしらえられてある山家らしい煖炉に目をつけ、それを一度使ってみたいと始終思っていたのである。それで、その朝、とうとう彼は女中に言いつけて松の枝をどっさり持って来させた。そうして自分で煖炉の前にしゃがみ込みながら、それを焚きつけにかかった。