Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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もゆるほお

燃ゆる頬・聖家族

堀 辰雄

Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme

Aozora Bunko

やっとその小枝に火が燃え移って、ぱちぱちとそれが快活な音を立て出すと、叔母も自分の椅子をその火のそばに近づけた。

「そうしているところは、あなたも随分丈夫そうになってね」叔母が言った

「そうですか。――でも、もうかれこれ一年になるんですからね……ねえ、叔母さん、僕ね、去年二回喀血したでしょう。……最初の時は、どういうもんだか気持がよかったくらいでしたよ。そりゃ何しろ生れて始めてなので、びっくりしたことはびっくりしたけれど、もうこのまま死んで行くのだと思ったら、かえって落着いてしまったのでしょうね。……だけど、二度目のときはほんとに厭だったなあ。――あの時はもう、ひょっとしたら助かるかも知れないという気がしていたもんだから、かえって慌ててしまって、僕は無理矢理に咽喉から上げてくる血を半分ばかり飲み込んでしまったんだからなあ。そのあとの気持の悪いったらなかったし、医老には叱られるし……僕はあの時くらい人間の生きようとする意志を醜く思ったことはないなあ……」彼は何時かひとりごとのように言いつづけていた。が、ふと彼のそばに叔母が何だか煙ったそうな顔をしているのに気づくと、彼は強いて口をつぐんだ。