Japanische Klassiker mit Furigana
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もゆるほお
燃ゆる頬・聖家族
堀 辰雄
Lesen Sie 燃ゆる頬・聖家族 (もゆるほお) von 堀 辰雄 (ほりたつお) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 71.309 Zeichen · 144 Bildschirme
お前の兄たちがいつも、テニスなんか! と軽蔑していたから。しかし彼等も、私たちに誘われると、一しょに小学校へ行った。そこへ行くと、砲丸投げが出来るので。
小学校の庭には、夾竹桃が花ざかりだった。彼等は、すぐその木蔭で、砲丸投げをやり出した。私とお前とは、其処からすこし離して、白墨で線を描いて、ネットを張って、それからラケットを握って、真面目くさって向い合った。が、やってみると、思ったよりか、お前の打つ球が強いので、私の受けかえす球は、大概ネットにひっかかってしまった。五六度やると、お前は怒ったような顔をして、ラケットを投げ出した。
「もう止しましょう」
「どうしてさ?」私はすこしおどおどしていた。
「だって、ちっとも本気でなさらないんですもの……つまらないわ」
そうして見ると、私の嘘は看破られたのではなかった。が、お前のそういう誤解が、私を苦しめたのは、それ以上だった。むしろ、そんな薄情な奴になるより、嘘つきになった方がましだ。
私は頬をふくらませて、何も云わずに、汗を拭いていた。どうも、さっきから、あの夾竹桃の薄紅い花が目ざわりでいけない。
この二三日、お前は、鼠色の、だぶだぶな海水着をきている。