Japanische Klassiker mit Furigana
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ちち
父
金子 ふみ子
Lesen Sie 父 (ちち) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.107 Zeichen · 21 Bildschirme
そして、それはあとからきいたことではあるが、叔母が父を遁れてひとりこっそりと他人の家に奉公に行っていたのであった。が、そのたびに父は根気よく尋ねまわって、しまいにはとうとう探しあてて来るのであった。
二度目に叔母がつれ戻されたとき、私たちはまた引越した。それは横浜の久保山で、五、六町奥に寺や火葬場を控えた坂の中程にあった。
父は相変らず何もしていないようであったが、そのうちどうして金をつくって来たのかその坂を降りたとっつきの住吉町の通りに今一軒商店向きの家を借りた。父はその家で氷屋を始めたのだった。
氷屋の仕事は叔母の役目だった。母と子供たちは山の家に残り、父は昼間だけそこに行って帳面をつけたり商売の監督をするのだといっていた。が、それはただ初めの間だけのことで、ほどなくめったに山の家には帰って来なくなった。つまりていよく私たち母子を、父と叔母との二人の生活から追ん出してしまったのである。
私はその時もう七つになっていた。そして七つも一月生れなのでちょうど学齢に達していた。けれど無籍者の私は学校に行くことが出来なかった。
無籍者! この事については私はまだ何もいわなかった。