Japanische Klassiker mit Furigana
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ちち
父
金子 ふみ子
Lesen Sie 父 (ちち) von 金子 ふみ子 (かねこふみこ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.107 Zeichen · 21 Bildschirme
だが、ここで私は一通りそれを説明しておかなければならない。
なぜ私は無籍者であったのか。表面的の理由は母の籍がまだ父の戸籍面に入ってなかったからである。が、なぜ母の籍がそのままになっていたのか。それについてずっとのちに私が叔母からきいた事が一番本当の理由であったように思う。叔母の話したところによると、父は初めから母と生涯つれ添う気はなく、いい相手が見つかり次第母を捨てるつもりで、そのためわざと籍を入れなかったのだとの事である。ことによるとこれは、父が叔母の歓心を得るためのでたらめの告白であったかもしれない。ことによるとまた、父のいわゆる光輝ある佐伯家の妻として甲州の山奥の百姓娘なんか戸籍に入れてはならぬと考えたのかもしれない。とにかく、そうした関係から、私は七つになる今までも無籍者なのであった。
母は父とつれ添うて八年もすぎた今日まで、入籍させられないでも黙っていた。けれど黙っていられないのは私だった。なぜだったか、それは私が学校にあがれなかったことからであった。
私は小さい時から学問が好きであった。で、学校に行きたいとしきりにせがんだ。あまりに責められるので母は差し当たり私を母の私生児として届けようとした。