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Japanische Klassiker mit Furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Lesen Sie 牛をつないだ椿の木 (かわ) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 75.647 Zeichen · 155 Bildschirme

Aozora Bunko

ただ、牛が地べたの上にねそべっていたことだけが、いつもとちがっていました。およしばあさんは、そうとは知らなかったので、もうすこしで牛につまずくところでした。和太郎さんは、

「坊よ、起きろ」

と、いいました。

牛は、ふううッと太い長い鼻いきでこたえただけで、起きようとしませんでした。

「坊よ、腹でもいてえか。起きろ」

といって、和太郎さんは、手綱でぐいッとひっぱりました。

牛はのろのろと、ものうげにからだを動かして、まずしりのほうを起こしました。前あしはふたつにおって地についたままでしばらくいて、大きい鼻いきをたてつづけにするのでした。

「あら、いやだよ。この牛は。かじやのふいごのように、ふうふう、いうんだもの」

と、およしばあさんはいいました。

「まるで、よいどれみたいだよ」

そのことばで、和太郎さんは、ようやく牛もたくさん飲んだことを思い出しました。そこでおかしくなって、げらげらわらっていいました。

「それにちげえねえ」

やっとのことで牛が前あしを立てると、和太郎さんはいよいよ家にむかって出発しました。

いつも茶屋のおよしばあさんは、和太郎さんが出発してから、かなり長いあいだ、和太郎さんの車の輪がなわて道の上にたてる、からからという音を聞いたものでした。