Japanische Klassiker mit Furigana
ja-reading.com
Lesen Sie japanische Klassiker online mit Furigana. Filtern Sie nach JLPT-Niveau, tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung und übersetzen Sie einen Satz.
かわ
牛をつないだ椿の木
Lesen Sie 牛をつないだ椿の木 (かわ) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 75.647 Zeichen · 155 Bildschirme
おや、へんだなと、久助君は思った。聞きなれない声だ。あんな声で読むのは、いったいだれだろう。そこで久助君は、本から顔をあげてみると、南のまどのそばの席で、ひとりの色の白い、セル地の美しい洋服をきた少年が、久助君の方に横顔を見せて朗読していた。久助君の知らない少年だ。
久助君はその少年の横顔を見ているうちに、きみょうな錯覚にとらわれはじめた。じぶんは、まちがってよその学校へきてしまったのではないかと、思ったのである。いや、たしかに、これは久助君の通っていた岩滑の学校の五年の教室ではない。いま読んでいる少年を、久助君は知らないのだ。そういえば先生も、なるほど久助君の受け持ちだった山口先生ににてはいるが、別人であるらしい。友だちのひとりひとりも、久助君のよく知っている岩滑の友だちとどこかにてはいるが、どうも知らない学校の知らない生徒たちだ。五日間休んで、じぶんの学校を忘れてしまい、よその学校へはいってきたのだ。これはとんでもないことをしてのけた。久助君は、そんなふうに思ったのだった。そしてすぐつぎのせつなに、やはりこれは久助君のもとの学校であるということがわかって、久助君はほっとした。