Japanische Klassiker mit Furigana
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かわ
牛をつないだ椿の木
Lesen Sie 牛をつないだ椿の木 (かわ) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 75.647 Zeichen · 155 Bildschirme
それはとけて、茶色のつばになっていた。はき出したあとで口をあけて空気をすいこむと、これはまた、なんという爽快なことだろう! 久助君の小さな口の中に、すずしい秋の朝が、ごっそりひとつはいりこんだみたいだ。久助君はその爽快味を満喫するため、大きく口をあけて、ハアーッハアーッと呼吸しながら、家まできてしまったのである。
「なんだい、久は。仁丹のにおいをさせてるじゃないか」
と、おかあさんがいった。そこではじめて久助君は、なぞがとけて、そして、ばからしくなってしまった。仁丹なら、久助君は百も知っていたのだ。もっとも、たべたことは、こんどがはじめてだけれど。
どうしてまた久助君は、ありふれた仁丹なんかを、なにかたいへんな、ふしぎなもののように思いこまされてしまったんだろう。思えば思うほど、久助君にとって、太郎左衛門はきみょうな少年であった。
三
道から十メートルばかりはいったところに、太郎左衛門の屋敷の門がある。光蓮寺の山門をすこし小さくしたような、さびた金具などのついた古めかしい門である。横に小さいくぐりがあって、太郎左衛門はそれから出はいりし、門はいつでもしまっている。