Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Lesen Sie 牛をつないだ椿の木 (かわ) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 75.647 Zeichen · 155 Bildschirme

Aozora Bunko

「おとうさんが、はじめての航海でフランスのマルセーユにいったとき、そこの港のうら町の小さな道具屋で見つけたランプなんですって。なんでも、ルイ十六世のころのものらしいっていってらしたわ」

と、しゃべった。久助君はぶきみになって、身じろぎもできなかった。この少女は、あきめくらであるばかりでなく、気がくるっているのだろう。

太郎左衛門がわらいながら、「ねえさんのばかタン」と前おきして、わけを話してくれたので、なんだ、そうだったのかと、久助君は思った。太郎左衛門のねえさんは、女学校でする学芸会の練習をしていたのである。なんでもそれは、あらしの夜、ふたりの姉妹が勉強をしていると、ふいに停電してしまうので、古いランプを持ち出してきてともすのだそうである。そうすると、死んだ弟やら、いぜんなくした手まりやら、雨の晩にいなくなってしまった飼い犬やらが、またふたりの姉妹のところにもどってくるという、なにがなにやらわけのわからない、ばかばかしい劇らしい。

久助君は、そこにいる白い少女が、あきめくらでも気ちがいでもないことがわかったけれど、でもなんとなくきみがわるくて、しぜんに、目や耳は少女の方にひきつけられた。