Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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かわ

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Lesen Sie 牛をつないだ椿の木 (かわ) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N3. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N3 · Mittel · moderne Kanji und Kana · 75.647 Zeichen · 155 Bildschirme

Aozora Bunko

やがて貝のからを持って帰ってくる)

長女  あったわ。かけひで洗ってきてよ。

三男  花はあった?

長女  しなびてたわ。

三男  しなびてた?

長女  しなびるわよ、冬を越したんですもの。

三男  ぼくのかばんのお弁当入れるところにね、もうひとつ貝があるから持ってきて。

(女の子さがして持ってくる)

三男  それ合わせてごらんよ。うまく合う?

長女  うまく合うわ。ほら、ちょうどてのひらを合わせたみたい。

(それを病気の子に渡す)

三男  まだ鳴るかなあ。

(口にふくんで弱々しくふく。鳴らない)

長女  土の中にあった間に、どこかきっと欠けたのよ。

三男  鳴るよ。……じっときいてると、いっぱいになるよ。……風の音や笛の音がするよ。……たくさんの音がするよ。どこか遠くの方へ消えていくよ。

長女  うそよ。なにもきこえやしないわ。

(病気の子、貝をくわえたまま耳をすましている。間)

三男  ねえちゃん、……ぼくなんだか軽くなった。あ、ぼくもとんでくよ。風の音や笛の音の中をいっしょに……おかあちゃん……ああ、ぼくもとんでくの……。

長女  なにいってるの、よし坊ちゃん。あんた、どこ見てんの。