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Japanische Klassiker mit Furigana

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うしをつないだつばきのき

牛をつないだ椿の木

新美 南吉

Lesen Sie 牛をつないだ椿の木 (うしをつないだつばきのき) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.096 Zeichen · 19 Bildschirme

Aozora Bunko

海蔵さんは、もう二タ月ほどまえから、たびたびこの家へ来たのでした。井戸を掘るお金はだいたいできたのですが、いざとなって地主が、そこに井戸を掘ることをしょうちしてくれないので、何度も頼みに来たのでした。その地主というのは、牛を椿につないだ利助さんを、さんざん叱ったあの老人だったのです。

海蔵さんが門をはいったとき、家の中から、ひえっというひどいしゃっくりの音がきこえて来ました。

たずねて見ると、一昨日から地主の老人は、しゃっくりがとまらないので、すっかり体がよわって、床についているということでした。それで、海蔵さんはお見舞いに枕もとまできました。

老人は、ふとんを波うたせて、しゃっくりをしていました。そして、海蔵さんの顔を見ると、

「いや、何度お前が頼みにきても、わしは井戸を掘らせん。しゃっくりがもうあと一日つづくと、わしが死ぬそうだが、死んでもそいつは許さぬ。」

と、がんこにいいました。

海蔵さんは、こんな死にかかった人と争ってもしかたがないと思って、しゃっくりにきくおまじないは、茶わんに箸を一本のせておいて、ひといきに水をのんでしまうことだと教えてやりました。