Japanische Klassiker mit Furigana
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うしをつないだつばきのき
牛をつないだ椿の木
Lesen Sie 牛をつないだ椿の木 (うしをつないだつばきのき) von Niimi Nankichi (新美 南吉) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 9.096 Zeichen · 19 Bildschirme
お前さんのような人は、いまどき珍しい。それじゃ、あそこへ井戸を掘らしてあげよう。どんな井戸でも掘りなさい。もし掘って水が出なかったら、どこにでもお前さんの好きなところに掘らしてあげよう。あのへんは、みな、わしの土地だから。うん、そうして、井戸を掘る費用がたりなかったら、いくらでもわしが出してあげよう。わしは明日にも死ぬかも知れんから、このことを遺言しておいてあげよう。」
海蔵さんは、思いがけない言葉をきいて、返事のしようもありませんでした。だが、死ぬまえに、この一人の慾ばりの老人が、よい心になったのは、海蔵さんにもうれしいことでありました。
六
しんたのむねから打ちあげられて、少しくもった空で花火がはじけたのは、春も末に近いころの昼でした。
村の方から行列が、しんたのむねを下りて来ました。行列の先頭には黒い服、黒と黄の帽子をかむった兵士が一人いました。それが海蔵さんでありました。
しんたのむねを下りたところに、かたがわには椿の木がありました。今花は散って、浅緑の柔らかい若葉になっていました。もういっぽうには、崖をすこしえぐりとって、そこに新しい井戸ができていました。