Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎゅうにくとばれいしょ

牛肉と馬鈴薯・酒中日記

国木田 独歩

Lesen Sie 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.018 Zeichen · 109 Bildschirme

Aozora Bunko

というのは上る時は少も気がつかなかったが路傍にある木の枝から人がぶら下っていたことです。驚きましたねエ、僕は頭から冷水をかけられたように感じて、其所に突立って了いました。

「それでも勇気を鼓して近づいてみると女でした、無論その顔は見えないが、路にぬぎ捨てある下駄を見ると年若の女ということが分る……僕は一切夢中で紅葉館の方から山内へ下りると突当にあるあの交番まで駈けつけてその由を告げました……」

「その女が君の恋していた少女であったというのですかね」と近藤は冷ややかに言た。

「それでは全で小説ですが、幸に小説にはなりませんでした。

「翌々日の新聞を見ると年は十九、兵士と通じて懐胎したのが兵士には国に帰って了われ、身の処置に窮して自殺したものらしいと書いてありました、ともかく僕はその夜殆ど眠りませんでした。

「然かし能くしたもので、その翌日少女の顔を見ると平常に変っていない、そしてそのうっとりした眼に笑を含んで迎えられると、前夜からの心の苦悩は霧のように消えて了いました。それから又一月ばかりは何のこともなく、ただうれしい楽しいことばかりで……」

「なるほどこれはお安価くないぞ」