Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎゅうにくとばれいしょ
牛肉と馬鈴薯・酒中日記
国木田 独歩
Lesen Sie 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.018 Zeichen · 109 Bildschirme
「否!」と一声叫けんで岡本は椅子を起った。彼は最早余程酔っていた。
「否と先ず一語を下して置きます。諸君にしてもし僕の不思議なる願というのを聴いてくれるなら談しましょう」
「諸君は知らないが僕は是非聴く」と近藤は腕を振った。衆皆は唯だ黙って岡本の顔を見ていたが松木と竹内は真面目で、綿貫と井山と上村は笑味を含んで。
「それでは否の一語を今一度叫けんで置きます。
「なるほど僕は近藤君のお察の通り恋愛に依て一方の活路を開いた男の一人である。であるから少女の死は僕に取ての大打撃、殆ど総ての希望は破壊し去ったことは先程申上げた通りです、もし例の返魂香とかいう価物があるなら僕は二三百斤買い入れたい。どうか少女を今一度僕の手に返したい。僕の一念ここに至ると身も世もあられぬ思がします。僕は平気で白状しますが幾度僕は少女を思うて泣いたでしょう。幾度その名を呼で大空を仰いだでしょう。実にあの少女の今一度この世に生き返って来ることは僕の願です。
「しかし、これが僕の不思議なる願ではない。僕の真実の願ではない。僕はまだまだ大なる願、深い願、熱心なる願を以ています。この願さえ叶えば少女は復活しないでも宜しい。