Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎゅうにくとばれいしょ
牛肉と馬鈴薯・酒中日記
国木田 独歩
Lesen Sie 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.018 Zeichen · 109 Bildschirme
と竹内は大口を開けて笑った。
「否ビフテキです、実際はビフテキです、スチューです」
「オムレツかね!」と今まで黙って半分眠りかけていた、真紅な顔をしている松木、坐中で一番年の若そうな紳士が真面目で言った。
「ハッハッハッハッ」と一坐が噴飯だした。
「イヤ笑いごとじゃアないよ」と上村は少し躍起になって、
「例えてみればそんなものなんで、理想に従がえば芋ばかし喰っていなきゃアならない。ことによると馬鈴薯も喰えないことになる。諸君は牛肉と馬鈴薯とどっちが可い?」
「牛肉が可いねエ!」と松木は又た眠むそうな声で真面目に言った。
「然しビフテキに馬鈴薯は附属物だよ」と頬髭の紳士が得意らしく言った。
「そうですとも! 理想は則ち実際の附属物なんだ! 馬鈴薯も全きり無いと困る、しかし馬鈴薯ばかりじゃア全く閉口する!」
と言って、上村はやや満足したらしく岡本の顔を見た。
「だって北海道は馬鈴薯が名物だって言うじゃアありませんか」と岡本は平気で訊ねた。
「その馬鈴薯なんです、僕はその馬鈴薯には散々酷い目に遇ったんです。ね、竹内君は御存知ですが僕はこう見えても同志社の旧い卒業生なんで、矢張その頃は熱心なアーメンの仲間で、言い換ゆれば大々的馬鈴薯党だったんです!」