Japanische Klassiker mit Furigana
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ぎゅうにくとばれいしょ
牛肉と馬鈴薯・酒中日記
国木田 独歩
Lesen Sie 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.018 Zeichen · 109 Bildschirme
「手紙は届いたかね」との一言で先ず我々の荒肝をひしがれた。
「届きました」と自分が答えた。
「言って来たことは都合がつくかね?」
「用意して置きました」とお政は小さい声。母はそろそろ気嫌を改ためて、
「ああそれは難有う。毎度お気の毒だと思うんだけれど、ツイね私の方も請取る金が都合よく請取れなかったりするものだから、此方も困るだろうとは知りつつ、何処へも言って行く処がないし、ツイね」と言って莞爾。
能く見ると母の顔は決して下品な出来ではない。柔和に構えて、チンとすましていられると、その剣のある眼つきが却って威を示し、何処の高貴のお部屋様かと受取られるところもある。
「イイえどう致しまして」とお政は言ったぎり、伏目になって助の頭を撫でている。母はちょっと助を見たが、お世辞にも孫の気嫌を取ってみる母では無さそうで、実はそうで無い。時と場合でそんなことはどうにでも。
「助の顔色がどうも可くないね。いったい病身な児だから余程気をつけないと不可ませんよ」と云いつつ今度は自分の方を向いて、
「学校の方はどうだね」
「どうも多忙しくって困ります。今日もこれから寄附金のことで出掛けるところでした」