Japanisch lesen

Japanische Klassiker mit Furigana

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ぎゅうにくとばれいしょ

牛肉と馬鈴薯・酒中日記

国木田 独歩

Lesen Sie 牛肉と馬鈴薯・酒中日記 (ぎゅうにくとばれいしょ) von 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 54.018 Zeichen · 109 Bildschirme

Aozora Bunko

帰りましょう、私も多忙しい身体だからね。お客様に御飯を上げる仕度も為なければならんし」と急に起上がって

「紙と筆を借りるよ。置手紙を書くから」と机の傍に行った。

この時助が劇しく泣きだしたので、妻は抱いて庭に下りて生垣の外を、自分も半分泣きながら、ぶらぶら歩るいて児供を寝かしつけようとしていた。暫くすると急に母は大声で

「お政さん! お政さん!」と呼んだ。妻は座敷に上がると母は眼に角を立て睨むようにして

「お前さんまで逃げないでも可いよ。人を馬鹿にしてらア。手紙なんぞ書かないから、帰ったらそう言っておくれ。この三円も不用いよ」と投げだして「最早私も決して来ないし、今蔵も来ないが可い、親とも思うな、子とも思わんからと言っておくれ!」

非常な剣幕で母は立ち去り、妻はそのまま泣伏したのであった。

自分は一々聴き終わって、今の自分なら、

「宜しい! 不用けゃ三円も上げんばかりだ。泣くな、泣くな、可いじゃないか母上さんの方から母でもない子でも無いというのなら、致かたもないさ。無理も大概にして貰わんとな」

然しあの時分はそうでなかった。不孝の子であるように言われてみると甚どくそれが気にかかる。