Japanische Klassiker mit Furigana
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ぼたんどうろう ぼたんとうき
牡丹灯籠 牡丹灯記
田中 貢太郎
Lesen Sie 牡丹灯籠 牡丹灯記 (ぼたんどうろう ぼたんとうき) von 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 10.676 Zeichen · 22 Bildschirme
女は毎晩のように喬生の許へ来て黎明になって帰って往った。喬生の家と壁一つを境にして老人が住んでいた。老人は、鰥暮しの喬生が夜になると何人かと話しでもしているような声がするので不審した。
「あいつ寝言を云ってるな」
しかし、その声は一晩でなしに二晩三晩と続いた。
「寝言にしちゃおかしいぞ、人も来るようにないが、それとも何人かが泊りにでも来るだろうか」
老人はこんなことを云いながらやっとこさと腰をあげ、すこし頽れて時おり隣の燈の漏れて来る壁の破れの見える処へ往って顔をぴったりつけて好奇に覗いて見た。喬生が人間の骸骨と抱き合って榻に腰をかけていたが、そのとき嬉しそうな声で何か云った。老人は怖れて眼前が暗むような気がした。彼は壁を離れるなり寝床の中へ潜りこんだ。
翌日になって老人は喬生を己の家へ呼んだ。
「お前さんは、大変なことをやってるが、知ってやってるかな」
老人は物におびえるような声で云った。喬生はその意味が判らなかったが、女のことがあるのでその忠告でないかと思ってきまりが悪かった。
「さあ、なんだろう、私には判らないが」
「判らないことがあるものか、お前さんは、大変なことをやってる、気が注かないことはないだろう」