Japanische Klassiker mit Furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Lesen Sie 犬田卯短編集 一 (こぶ) von 犬田 卯 (いぬたしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.259 Zeichen · 96 Bildschirme
肥料は俺が持っているのさ――ひとのものなんか君、泥棒じゃあるめえし。」
「うむ、とにかく現物さえあるんなら、何も問題ではねえが……で、一叺いくらなんだ。」
「公定価額だよ」と唇を突出して言いながら、塚屋は懐中から小さい算盤を出して斜めにかざし、得意そうにぱちぱちと珠を入れた。
「そんな公定あるもんかい。」
浩平はおっかぶせるように叫んで塚屋をにらみ、それから、ぷいとそっぽを向く。
「無えことあるもんか。どこさ行ったってこれだ。これでなかったら、こんどは見ろ、組合からだって手に入らねえから。」
いやなら止すと言わぬばかりである。
「うむ――」と浩平は今は折れるしかなかった。「それで……何叺あるんだか。」
「君は何叺要るんだか、それによって俺の方はいくらでも都合する。」
「俺は、まア、差しあたり二十もあれば……」
「二十か、よし、都合つける。――明日でよかっぺ。」
「それはいいが、……しかし、その値段は、少し、どうかなんねえかい。」
「公定だよ、君、これを破れば、俺はやみであげられるんだぜ。」
「そんな、それは君だけの公定だっぺ。」
「そんなこと言うんなら、俺ら止めた。――破談だ。