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Japanische Klassiker mit Furigana

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こぶ

犬田卯短編集 一

犬田 卯

Lesen Sie 犬田卯短編集 一 (こぶ) von 犬田 卯 (いぬたしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.

N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.259 Zeichen · 96 Bildschirme

Aozora Bunko

綾子はしかし落ちついていた。またしても紙を丸めて自分から圭太の鼻へ強く栓をした。

「堅くしとかないと駄目よ、あんた。頭がぐらぐらしべえ。あんた突き落されたの?」

「いや、ただ落ちたんだよ。」

圭太は自分の弱虫が恥しくて、それ以上言うことが出来なかった。

彼は鼻を片手で抑えながら、片手で鞄を直して歩き出した。もう遅れたかも知れぬ。始業の鐘が鳴ってしまったかも知れぬ。

女生徒達もそのあとから駈けるようにしてつづいた。

四

その事があって以来、綾子と圭太の間が非常に近いものになったように思われた。彼らは腕白どもをよけるために時間をかれこれと考えたので、しぜん、道でいっしょになったり、いっしょになれば話し合ったりするのだった。

綾子は中学へ行っている兄を持っていた。さぶちゃんがこれ以上苛めれば、その兄に言って「とっちめて」もらってやるからと言った。

圭太もその綾子の兄をうすうすながら知っていた。もう卒業間際の、がっしりした青年だった。いかにさぶちゃんが海軍ナイフを振り廻しても、茨のステッキを持っていても、彼にはぐうの音も出まい!

圭太も心強かった。