Japanische Klassiker mit Furigana
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こぶ
犬田卯短編集 一
犬田 卯
Lesen Sie 犬田卯短編集 一 (こぶ) von 犬田 卯 (いぬたしげる) auf Japanisch mit Furigana. JLPT N2. Tippen Sie auf ein Wort für die Bedeutung.
N2 · Fortgeschritten · moderne Kanji und Kana · 48.259 Zeichen · 96 Bildschirme
そしてその度ごとに、彼はさぶちゃんから威嚇と、時には本当にステッキを食わされなければならなかった。
夏休みがやってきた。
圭太は永らく病床にあった父を亡くした。
そしてそれは彼にとって、さぶちゃんとも、綾子とも、ふっつりと交渉の断絶を意味していた。
圭太は母を扶けて貧しい父なきあとを働かなければならなかった。
秋の取り入れがすみ、そしてまた春の日がやって来た。橋の欄干を渡らせられ、綾子の柔かい手を感じた頃がめぐって来ていた。圭太は毎日真っ黒になって野良だった。
綾子は町の女学校へ通っているという。そしてさぶちゃんは、中学の試験を受けても駄目だったので、東京へ行った。何とかいう学校へ入ったとか――
圭太は時々綾子の姿を見た。やはりあの橋の上だ――しかし朽ちかけた橋は架けかえられて新しいコンクリートの堂々たるものになった。――彼女はつつましやかに制服を身につけ、希望にかがやきながら、一年前のことなどは遠い昔の忘れられたことほどにも考えないかのように、いそいそとすっかり娘になった身体を運んで行くのだった。